声価隊メンバー|としきくん
この語り手のテーマ
ASDの特性と、ゲイとしての自己認識を抱えながら、「わかっているのに、動けない」現実を、静かに語ってくれました。
この声から考えたいこと
としきくんの経験は、単に「自立できていない」という話ではありません。
言葉では理解できる。必要なことも分かっている。
けれど、手順を組み立て、失敗を想像し、自分で判断して動く段階になると、そこで止まってしまう。
その背景には、ASDによる認知の偏り、高校時代のいじめの記憶、母親との強い結びつき、そしてゲイとして安心して居場所を広げにくい現実が重なっています。
この記録では、本人の甘えや努力不足として片づけられがちな出来事を、
「なぜ判断が止まるのか」「なぜ自分だけで決めることが怖くなるのか」
という視点から見つめ直しています。
冊子で読めること
- 幼少期からあった男性への感覚
- 中学校時代の不登校と、英語だけが伸びた経験
- 高校時代のいじめと、文化祭の女装ダンスが残した傷
- ASD診断と、認知機能の大きな偏り
- 母親との関係の中で、判断がどう形づくられてきたのか
- 就労継続支援B型やデイケアの中で保っている現在の生活
- 「自立」とは何かを問い直す、まだ途中の記録

画面で流れていく言葉ではなく、手元に残る「声の記録」として届けます。
この声を、紙の冊子にする理由
声価隊では、本人の語りをあえて紙の冊子として届けています。
画面で流れていく文章ではなく、手に取り、読み返せる形にすることで、その人の経験を「残る価値」として扱いたいからです。
としきくんの記録は、成功談でも、克服の物語でもありません。
いまも続いている迷い、怖さ、判断の止まり方、そしてその中で生活を保とうとする姿を、そのまま残すための記録です。
冊子の売上のうち、おおよそ7割は本人への謝金として届きます。
読むことは、本人の声を社会の中で価値あるものとして受け取ることにつながります。