声価隊メンバー|たっちゃん
この語り手のテーマ
HIV陽性、AIDS発症、メンタル面の揺らぎ。
いくつもの出来事を抱えながら、特例子会社で働き、休職と復職を経て、なお働き続けている現実を語ってくれました。
この声から考えたいこと
たっちゃんの経験は、単に「病気を乗り越えた」「休職から復帰した」という話ではありません。
HIVやAIDS発症の衝撃。
幼少期から積み重なった「相談しても無駄だ」という感覚。
障害や病気を開示して働くことへの希望。
そして、特例子会社という支援や配慮があるはずの場所で、管理する側として摩耗していった現実。
たっちゃんの記録には、本人の弱さや努力不足として片づけられがちな出来事が、いくつも出てきます。
けれども、それらは本人だけの問題ではありません。
相談の仕方を学べなかった人が、相談を受ける側に置かれること。
教えられないまま、管理する役割を担わされること。
周囲から頼られ、自分でも放っておけず、仕事が一人に集まっていくこと。
そして、休むことや助けを求めることに、今もうしろめたさが残ること。
この記録では、たっちゃんが何に追い詰められ、何を手放し、何を守ろうとしてきたのかを見つめていきます。
紹介ページではあえて余白を残し、具体的な順序と中身は深掘りインタビュー本文に置きます。
冊子で読めること
・HIV陽性とAIDS発症によって、正社員登用の機会を手放さざるを得なかった経緯
・就労移行支援を経て、特例子会社に入社するまでの再出発
・「同じHIV当事者が働いている」という希望が、のちに高すぎるロールモデルとして圧力にもなっていったこと
・管理職、生活相談員として、部下・上司・クライアントのあいだで摩耗していった過程
・「相談しても無駄だ」という感覚が、職場でSOSを出せない沈黙につながっていったこと
・休職に至るまでの限界のサインと、復職に向けた上司とのやり取り
・役職を手放し、給与や働き方の条件を組み替えた復職後の判断
・現在も仕事が集まりやすい中で、欠勤、うしろめたさ、服薬、通院、認知行動療法アプリなどと付き合いながら働き続けていること
・パートナーとの暮らしや、仕事を家に持ち込まないという生活上の線引き
・PrEPの普及など、HIVをめぐる空気が変わった現在に残る、十年前の絶望との距離感
画面で流れていく言葉ではなく、手元に残る「声の記録」として届けます。

画面で流れていく言葉ではなく、手元に残る「声の記録」として届けます。
この声を、紙の冊子にする理由
声価隊では、本人の語りをあえて紙の冊子として届けています。
画面で流れていく文章ではなく、手に取り、読み返せる形にすることで、その人の経験を「残る価値」として扱いたいからです。
たっちゃんの記録は、完成された成功談ではありません。
病気を乗り越えた物語でも、休職から復活した美談でもありません。
そこにあるのは、その時々で選んできた判断と、その判断に伴った代償です。
冊子の売上のうち、おおよそ7割は本人への謝金として届きます。
読むことは、本人の声を社会の中で価値あるものとして受け取ることにつながります。