【ほっこり声価隊|メンバー紹介】よしのさん

この語り手のテーマ

〜“時間”と“あいまいさ”の狭間で起きることを語る人〜

よしのさん は、発達特性とともに暮らしながら、
「時間通りに行動すること」や
「あいまいな説明・案内の中で判断すること」に
長く向き合ってきました。

日常の中では、出かける前の支度や、
空港での搭乗手続きなど、
一見すると誰にでも起こりそうな場面で、
特性ゆえの困難が重なって現れます。

そこで起きているのは、
単なる“遅れ”や“不注意”ではありません。


よしのさんの生活には、周囲からは見えにくい負担があります。

支度に時間がかかることで、
遅れを取り戻すために混雑した特急やタクシーを使わざるを得ないこと。

遅れてしまったという事実そのものが、
精神的なダメージや身体的な疲労として残ること。これらは、結果だけを見ると見過ごされがちですが、
日々積み重なっていく“見えないコスト”です。


特性ゆえの行動は、ときに
「クレーマー」「わがまま」「だらしない」「甘えている」
と受け取られてしまうことがあります。

よしのさん自身も、その誤解に傷つきながら、
少しでも前に進むために工夫を重ねてきました。

たとえば、
具体的で簡潔な説明を求めること。それは、混乱を防ぐための切実な手段ですが、
それでもなお、先入観を向けられてしまう場面は残っています。


現在も、
非対面の音声情報や視覚情報だけでは、
相手の真意を読み取ることが難しいと感じています。

また、目についたものに注意を奪われ、
それまでしていたことを忘れてしまうこともあります。「克服した」と言い切れるものばかりではない。
それが、よしのさんの率直な実感です。


よしのさんが思い描く理想の形は、
個人事業やフリーランスとしての働き方。

一方で、現実には
1日7時間・週5日の労働という枠組みの中で、
日々をやりくりしています。そのギャップもまた、
語りの背景にある大切な要素です。


よしのさんが周囲に望んでいるのは、
特別な配慮や正解ではありません。

もし、
「ぶっ飛んだことを言っているな」と感じたら、
質問してほしいこと。

うろうろしている様子を見かけたら、
声をかけてほしいこと。それは、
自分の世界に入り込んでいたり、
その場で何をすべきか分からなくなっている
サインかもしれないからです。


さいごに

よしのさんが声価隊で語ろうとしているのは、
まだ「ヒント」や「答え」としてまとめられる段階のものではありません。

それでも、
時間・段取り・説明のあいまいさの中で起きている現実を、
そのまま言葉にしていくことには意味があると考えています。ほっこり声価隊は、
姉貴が無理に整えすぎることなく、
経験を経験のまま語れる場所として、
この歩みを共にしていきます。